多摩川散歩

東京都と神奈川県の境を悠然と流れる多摩川。多摩川の魅力をたっぷり紹介します。

多摩川50景~「調布堰と黒松の林」
(魅力の多摩川散策情報)

多摩川50景のうち「調布堰と黒松の林」の紹介です。多摩川の調布堰付近は、丸子橋とその周辺を含めて多摩川で最も人の集まる超人気スポット。対岸の多摩川台公園の黒松とともに、調布堰が織り成す見事な風景が観られます。

調布取水堰(調布堰)と水面に姿を映す多摩川台公園~多摩川50景 調布堰と黒松の林/多摩川散歩
調布取水堰(調布堰)と水面に姿を映す多摩川台公園です。

調布取水堰(ちょうふしゅすいぜき=調布堰)は、多摩川で一番河口に近い、最下流にある取水堰です。河口から13kmの位置にあります。
この調布堰付近は、多摩川の人気スポットのひとつで、丸子橋とその周辺を含めて多摩川で最も多くの人が集まる場所です。

右岸の河川敷に下りると、調布堰ごしに、対岸の多摩川台公園(亀甲山)が眺められます。
多摩川台公園は大田区立の美しい公園です。豊かに茂る灌木の中に古くからの黒松が自生していて、独特の風情(ふぜい)を醸し出しています。
風のない日には、その黒松が調布堰の湖面に映って風情に花を添えます。この風景が「多摩川50景」に選ばれました。

多摩川50景とは
多摩川の魅力あふれる美しい風景の中から、市民の投票をもとにして50ヶ所が選定され公表されたものです。
多摩川50景は、いわば多摩川の見どころを凝縮した「多摩川の顔」とも言える場所です。多摩川を代表する美しい風景が詰まっています。

多摩川50景 調布堰と黒松の林

調布取水堰(調布堰)

多摩川最下流の取水堰

調布取水堰は、昭和11年(1936年)に国が飲料水の供給のために造った取水堰です。取水した多摩川の水は背後の亀甲山に送られ、ここで浄化処理したあと周辺地域に上水として供給されていました。
ところが、高度成長期になると多摩川の水質が急速に悪化。昭和45年に上水の取水を停止して以降、現在は工業用水のみに利用されています。

その多摩川も、最近では水質もすっかり改善され、再び清流のアユが戻ってくるまでになりました。多摩川を遡上する天然アユの数は、平成23年には783万尾だったと推定されています。(東京都島しょ農林水産総合センター「平成23年アユ遡上調査取りまとめ」による)

多摩川を遡上する天然アユ

多摩川を遡上する天然アユ~多摩川50景 調布堰と黒松の林/多摩川散歩

調布取水堰の下流で飛び跳ねる天然アユの稚魚(4月下旬)


汽水性のシーバス(スズキ)も釣れます

調布取水堰の下流では汽水性のシーバス(スズキ)も釣れます~多摩川50景 調布堰と黒松の林/多摩川散歩

調布取水堰で釣りを楽しむ人々。この取水堰までが感潮区間(海の干満の影響を受ける区間)とされており、堰の下流では汽水性のシーバス(スズキ)がルアーで釣れます。


多摩川から見上げる黒松

調布取水堰の管理所越しに見上げる黒松~多摩川50景 調布堰と黒松の林/多摩川散歩

調布取水堰の管理所越しに見上げる黒松。多摩川左岸の河岸段丘には黒松の林が茂り、水を湛えた取水堰との対比が独特の情緒を醸し出します。


多摩川台公園の黒松

公園からの眺めは「多摩川八景」に

黒松しげる多摩川台公園(亀甲山)は、古墳時代から延々とこの地のシンボル的存在であり続けてきました。威風堂々としたその姿と多摩川を見下ろす絶好のロケーションから、豪族たちの権力の象徴としても利用されてきました。数多くみられる古墳もその一つです。

多摩川台公園には古墳がいっぱい

多摩川台公園。国指定史跡の前方後円墳「亀甲山古墳」~多摩川50景 調布堰と黒松の林/多摩川散歩

多摩川台公園の頂上にある国指定史跡の前方後円墳「亀甲山古墳(かめのこやまこふん)」です(右手の小山。4世紀)。
このほかにも多摩川台古墳群と呼ばれる6世紀前半~7世紀中頃の古墳群を含めて、合計10基の古墳が頂上付近に点在しています。


近年では浄水場として利用。いまは湿性植物園

「調布浄水場」の沈殿池跡。いまは湿性植物園として整備されています~多摩川50景 調布堰と黒松の林/多摩川散歩

「調布浄水場」の沈殿池跡。大正7年から昭和42年まで多摩川の水をくみ上げて浄化し、周辺地域に上水(水道水)を供給していました。沈殿池跡は湿性植物園として整備され、市民に開放されています。


公園からの眺めは「多摩川八景」に選ばれています

多摩川台公園から雑木林越しに見る多摩川。こちらは多摩川八景に選ばれています~多摩川50景 調布堰と黒松の林/多摩川散歩


多摩川台公園から黒松越しに見る多摩川。悠然とした大河の流れです。
こちらは「多摩川八景」に選ばれています

↓↓ タイトルをタップ(内容表示)

調布取水堰付近へのアクセス

最寄り駅

◇調布取水堰の地先名
 左岸:大田区田園調布一丁目
 右岸:川崎市中原区上丸子天神町

◇調布取水堰の最寄り駅
 東急東横線、目黒線「多摩川駅」(徒歩5分)左岸側
 東急多摩川線「沼部駅」(徒歩8分)左岸側
 東急東横線、目黒線「新丸子駅」(徒歩13分)右岸側

おすすめ散策コース

あえて、少し遠回りをして、散策を楽しむコースです。

調布取水堰付近へのアクセス~多摩川50景 調布堰と黒松の林/多摩川散歩


【散策コース①】
多摩川台公園丸子橋を経由して歩くコースです(所要時間約35分)
多摩川台公園と丸子橋周辺の景色を併せて楽しめます。
東急東横線「田園調布駅」→宝来公園→多摩川台公園→亀甲山古墳→多摩川左岸→丸子橋→多摩川右岸→河川敷→調布取水堰(右岸サイト)

【散策コース②】
高津せせらぎ公園を経由して右岸沿いに歩くコースです(所要時間約70分)
健脚向きですが、高津せせらぎ公園と多摩川右岸の散策を楽しめます。
東急田園都市線「二子新地駅」→多摩川右岸→多摩川に沿って右岸を進む→高津せせらぎ公園→調布取水堰(右岸サイト)

多摩川散歩>多摩川50景>調布堰と黒松の林|魅力いっぱい 多摩川散策情報