多摩川散歩

東京都と神奈川県の境を悠然と流れる多摩川。多摩川の魅力をたっぷり紹介します。

多摩川に自生する野菜
河川敷には野菜がいっぱい

多摩川の河川敷に自生する野菜~多摩川の河原や河川敷は野菜の宝庫です。どこからか種が流されてきて自生するのでしょう。ここでは、そんなたくましい野菜たちを拾い集めてみました。

多摩川に自生する野菜
薬用植物で名高い「クコ」の大群落(多摩水道橋上流、右岸)

多摩川には野菜がいっぱい

多摩川の河原や河川敷は「野菜」の宝庫です。どこからか種子が流れてきたり、飛んで来たりして河川敷で自生するのでしょう。
ここでは、そんなたくましい野菜たちを拾い集めてみました。

ダイコン(大根)、コマツナ(小松菜)、カラシナ(からし菜)、クレソン・・・などなど。多摩川の野菜、集まれ!
これからも、どんどん増やしていきます。

多摩川には人工的な護岸が少なく、広い河川敷や河原が随所に残されて、豊かな自然環境を創出しています。上流から運ばれる栄養豊富な土砂の堆積も見られ、いたるところで畑と見間違うほどの立派な土壌が形成されています。

たくましい野菜たちには、格好の生育環境です。

多摩川に自生する野菜

河川敷の野菜たち part-1

ダイコン(大根)

ダイコン(大根)/多摩川に自生する野菜

野菜の定番。ダイコン。
多摩川の河川敷を歩いていると、いたるところに自生しています。たくましい品種です。


ただ、河川敷は畑と違って土が固いために、根っこはあまり太くなれないようです。河川敷で「白くて立派なダイコン」に出会うことは稀にしかありません。
葉っぱを食べるのならいくらでも採取できますが・・・(笑)

コマツナ(小松菜)

コマツナ(小松菜)/多摩川に自生する野菜

関東地方で古くから親しまれているアブラナ科の野菜。現在では日本各地で栽培されており、ハクサイと並んで冬を代表する人気の野菜です。


写真のコマツナは、誰も採らなかったためか大株に育って、まもなく花を出そうとしています。河川敷に見事に適応している姿です。

セイヨウカラシナ

セイヨウカラシナ/多摩川に自生する野菜

花芽が出るまではアブラナと区別が付きにくいのですが、葉のギザギザが強い特徴などから、写真の野菜はセイヨウカラシナだと思われます。


セイヨウカラシナは中央アジア原産で、野菜(からし菜)として栽培されるほか、種子は「和からし」の原料として利用されます。
河川敷にもたくさん自生していて、早春の2~4月頃、黄色い花を咲かせます。

アブラナ(油菜)、セイヨウアブラナ

アブラナ、セイヨウアブラナ/多摩川に自生する野菜

こちらはアブラナです。
別名を菜の花や菜花(なばな)、菜種(ナタネ)などとも呼ばれ、日本人には古くから親しまれている野菜です。
蕾や若芽を食用にするほか、種子からは良質の菜種油が採れます。


在来種のアブラナとセイヨウアブラナとは区別が難しいのですが、種子は在来種が赤褐色、セイヨウアブラナは黒色です。

河川敷の野菜たち part-2

クコ(枸杞)

クコ(枸杞)/多摩川に自生する野菜

最上段の写真にもあるように、多摩川河川敷ではすっかりお馴染みの中国原産の外来種です。
ナス科の落葉低木で、実と葉は、食用や薬用に利用されます。


クコの赤い果実は枸杞子(くこし)という生薬です。薬用の「クコ酒」に利用されるほか、薬膳として生食やドライフルーツでも食されます。
柔らかい若葉も食用やクコ茶に利用されます。

クレソン

クレソン/多摩川に自生する野菜

クレソンは、アブラナ科の多年草で、ヨーロッパから中央アジアの原産です。
ピリ辛い食味からオランダガラシ(和蘭芥子)とも呼ばれます。


クレソンは清流を好む植物で、多摩川中流域でも堤防や土手から湧き水が染み出しているような、比較的きれいな水質の砂地に自生しています。

セリ(芹)

セリ(芹)/多摩川に自生する野菜

セリ科の多年草で、別名、シロネグサ(白根草)とも呼ばれます。
セリは「雑草」とのイメージがありますが、今ではスーパーでも売られている立派な栽培野菜です。


セリは、湿地や休耕田など土壌水分の多い場所を好む湿地性植物で、多摩川でも水辺の浅瀬やワンドの縁などに多く自生しています。

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河原一面の菜の花畑

多摩川の広い河原一面に咲く黄色い「菜の花」

広い河原一面に咲く黄色い「菜の花」/多摩川に自生する野菜

多摩川の河川敷でよくみられる風景です。


じつはこの花、正確には「菜の花=アブラナ」ではなく、「セイヨウカラシナ」の花です。 河原に群生して咲く黄色い花は、ほとんどがカラシナの花です。

こちらは本来の「菜の花」=アブラナの花です

本来の「菜の花」=「アブラナ(油菜)」の花/多摩川に自生する野菜

アブラナは、カラシナよりも花びらが大きく、房も丸くてボリューム感があります。


アブラナとカラシナは区別がつけにくいのですが、アブラナの葉には葉柄が無く、花穂の茎を巻き込んで葉が出てきます。そのため、花芽が出ればカラシナとの区別は容易に付きます。

白い花は「ダイコン」の花

白い花は「ダイコン」の花/多摩川に自生する野菜

花の色もいろいろ。こちらは白い花です。


ダイコンは、アブラナ科「ダイコン属」の植物。
同じアブラナ科でも、「アブラナ属」に属するアブラナやカラシナなどが「黄色い花」を咲かせるのに対して、「ダイコン属」のダイコンは「白や薄紫の花」を咲かせます。
植物の花って、面白いですね。

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