多摩川50景~「等々力渓谷」
(魅力の多摩川散策情報)
多摩川50景のうち「等々力渓谷」の紹介です。等々力渓谷は、東京都区部では唯一の渓谷として、1999年(平成11年)には東京都名勝に指定されました。渓谷沿いに散策道が整備されており、毎年多くの観光客を集めています。
等々力渓谷。東京都指定名勝にも指定されている、東京23区内では唯一の渓谷です。
等々力渓谷(とどろきけいこく)は、谷沢川が武蔵野台地を削って形成した渓谷です。宅地化が進んだ今でもなお、等々力渓谷の周辺には深い森林が残り、斜面の各所から湧水が湧き出ています。
等々力渓谷は東京23区唯一の渓谷として東京都指定名勝となっており、多摩川50景にも指定されている人気の景勝地です。東急大井町線「等々力駅」より徒歩数分で入り口のゴルフ橋に到達。そこから下流方向に約1kmにわたり散策路が整備されています。
※多摩川50景とは
多摩川の魅力あふれる美しい風景の中から、市民の投票をもとにして50ヶ所が選定され公表されたものです。
多摩川50景は、いわば多摩川の見どころを凝縮した「多摩川の顔」とも言える場所です。多摩川を代表する美しい風景が詰まっています。
多摩川50景 等々力渓谷
等々力渓谷
夏涼しい渓谷沿いの遊歩道
都会の真っ只中とは思えない静けさです。渓谷に沿って遊歩道が続きます。
途中で環八通りの下をくぐります。渓谷が10mほどの深さがあることが分かります。
環八通りの上と下
等々力渓谷と環八通りとの関連を確認するために、上の道路までのぼってみました。
環八通りです。ありふれた都会の風景ですが、この下を等々力渓谷が流れています。
写真前方、車道の左右に見える緑の木立が等々力渓谷の崖に生えた木々です。
環八通りから下の渓谷を覗いてみました。思ったより深いのでびっくりします。
湧水を集めて流れる矢沢川の渓谷美
ところで、等々力渓谷のある矢沢川が、湧水を集めた川であることは余り知られていません。東京都世田谷区桜丘五丁目付近の湧水に源を発し、途中で複数の湧水を合わせて流下してきたのが矢沢川です。
もっとも近年では、水源地域の宅地化が進み、森林伐採による流入水量の減少と生活用水による水質悪化が問題になっていました。そのため清流復活事業として仙川の水を取水して、谷沢川に導入する施設が造られました。
現在の谷沢川(等々力渓谷)には、本来の湧水に加えて仙川の水が一部混じって流れています。
◇稲荷堂と不動の滝
等々力渓谷の名勝:不動の滝。この不動の滝も、地下水がわき出た湧水です。東京礫層と呼ばれる地層から湧出しています。矢沢川自体が、もともとはこういった湧水を水源とした川なのです。
等々力渓谷 日本庭園
渓谷と併せ観る日本庭園の美
等々力渓谷の終端近くの右岸に日本庭園があります。あまり大きくない庭園ですが、等々力渓谷と併せて観ると、また格段の趣があります。
入場無料ですので、ぜひ立寄ってみてください。
崖の地形や自然環境を巧みに活かした庭園で、豊かな緑が残されています。庭園の一番上に出ると書院があり、広々とした芝生広場に出ます。
かぶき門。等々力渓谷に沿った一番下流側にある門です。
庭園内の竹林。かぶき門を入って右手にあります。塀の左手は渓谷です。
石灯籠と築山。崖を巻き込むように、上へ上へと庭園が延びていきます。
高さ10mほどの崖を登りきったところに書院があります。セルフサービスですが日本茶をいただくこともできます。
書院の隣は芝生広場になっています。明るい武蔵野台地の風景です。
このすぐ下に、木々に包まれた渓谷があるとはとても思えません。
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等々力渓谷 等々力不動尊
参拝が終わったら多摩川までの散策がおすすめ
日本庭園からもう一度、等々力渓谷に戻り、今度は左岸の等々力不動尊に行きます。
前方の長い階段を上りきると等々力不動尊です。
等々力不動尊。様々な願いを叶えてくれる霊験あらたかなお不動さんとして知られていますが、特に交通安全にご利益があるといわれています。無事故を祈願した「交通安全守」はドライバーに人気のお守りです。
等々力不動尊のお参りが終わったら、等々力渓谷の散策も終わりですが、どうせなら多摩川まで歩いてみませんか?
不動尊の横手から再び矢沢川(等々力渓谷)に降りる道がおすすめです。林の小道がいい感じです。
矢沢川沿いに歩いて10分弱で多摩川の左岸堤防に出ます。右手遠くに見えるのは武蔵小杉のビル群です。