多摩川散歩

東京都と神奈川県の境を悠然と流れる多摩川。多摩川の魅力をたっぷり紹介します。

二子玉川 どんど焼き
(世田谷 小正月の伝統行事)

毎年1月15日の小正月には、二子玉川緑地運動場で恒例の「どんど焼き」が行われます。どんど焼きは、正月のしめ飾りや門松、書き初めなどを持ち寄って燃やし、新年の厄払いを祈る日本の伝統行事です。

二子玉川 どんど焼き~世田谷 小正月の伝統行事/多摩川散歩
多摩川河川敷の二子玉川緑地運動場で毎年行われるどんど焼き。天も焦がす迫力の炎です。

どんど焼とは

小正月(こしょうがつ)に行われる「どんど焼き」は、お正月に出迎えた歳神(としがみ=歳徳神)を、門松やしめ飾りを焼くことによって炎と共に見送る儀式です。

小正月の1月14日の夜または1月15日の朝に、刈り取り跡の残る田などに長い竹を3、4本組んで立て、そこにその年飾った門松やしめ飾り、お札、書き初めで書いた習字、祈願が達成されただるまなどを持ち寄り、火をつけてたき上げます。

どんど焼きの火で焼いた餅を食べるとその年は無病息災になると言われています。また、書き初めを焼いた時に炎が高く上がると字が上達するとも言われています。
高度経済成長の前までは、日本の各地で普通に行われていた懐かしい「どんど焼き」の行事です。

どんど焼きは、地方によって呼び方も様々です。
とんど(歳徳)焼き、どんと焼き、どんど焼き、さいと(歳徳)焼き、左義長(火祭り行事)、おんべ焼き、などとも呼ばれています。

どんど焼きの風景

二子玉川のどんど焼き

多摩川河川敷の二子玉川緑地運動場ピクニック広場北側(世田谷区鎌田一丁目)では、毎年1月15日前後に、恒例の「どんど焼き」が行われます。

このどんど焼きは、世田谷区鎌田の商店会「鎌田南睦会」が主催して行うもので、平成24年の開催で通算23回目を数えます。二子玉川の小正月のイベントとして広く知られる恒例行事です。

どんど焼きの風景=二子玉川

冒頭にも書きましたが、どんど焼きは、お正月に迎えた歳神様を炎と共に見送る儀式です。
炎が天まで届くように願って、高いやぐらが組まれ、火がつけられます。

高さ10mの壮大な櫓

高さ10mの壮大な櫓/二子玉川どんど焼き~世田谷 小正月の伝統行事/多摩川散歩

高さ約10メートル、底面直径約6メートルの円すい型の櫓。
この壮大な櫓は、鎌田南睦会に受け継がれてきた図面を基に、1週間前の8日早朝から総勢70人ほどで組み立てられます。

頂上にはダルマが飾られています。

頂上にはダルマが飾られています/二子玉川どんど焼き~世田谷 小正月の伝統行事/多摩川散歩


新しい年に希望をこめて・・・

新しい年に希望をこめて/二子玉川どんど焼き~世田谷 小正月の伝統行事/多摩川散歩

どんど焼きの当日には、各家庭から持ち込まれたおたき上げの門松やしめ飾りがとりつけられます。
お札や紙袋などの小物は、部屋の内部に奉納されます。


祈りもしっかりやります。無病息災、家内安全、大願成就、夫婦円満/二子玉川どんど焼き~世田谷 小正月の伝統行事/多摩川散歩

お祈りもしっかりやります。
無病息災、家内安全、大願成就、夫婦円満・・・


点火~歳神様を炎で見送る儀式です

平成24年のどんど焼きは、ほぼ無風・晴天の好コンディションの中で、10時30分より記念式典開催。参加者全員でお神酒による乾杯をしたあと、10時58分に点火されました。

点火は櫓の内部で行われます/二子玉川どんど焼き~世田谷 小正月の伝統行事/多摩川散歩

いよいよ点火です。点火は櫓の内部で行われます。
係員(消防団員)が点火を済ませて外に出てくると入り口が塞がれます。係員も全員、一旦退避です。


点火~歳神様を炎で見送る儀式です/二子玉川どんど焼き~世田谷 小正月の伝統行事/多摩川散歩

火の回りは随分と速く、点火からわずか20秒後には壁面から白煙が出始め、あっという間に拡大して行きます。
90秒も経たないうちにご覧のような大火になりました。ものすごい迫力です。


大迫力の火炎/二子玉川どんど焼き~世田谷 小正月の伝統行事/多摩川散歩

大迫力の火炎は続きます。きっとこの炎に乗って歳神様も天界にお帰りになるのでしょう。
静かにお見送りしましょう。


炎の向こうに見えるのは二子玉川の高層ビル街/二子玉川どんど焼き~世田谷 小正月の伝統行事/多摩川散歩

炎の向こうに見えるのは二子玉川の高層ビル街です。首都圏のど真ん中でこんな大きなどんど焼きができるのも、広大な多摩川の河川敷のお陰です。
櫓の足元には、頂上に付けられていたダルマが落ちて燃えています。


どんど焼き◇ここからは子供が主役

無病息災を祈って

無病息災を祈って/二子玉川どんど焼き~世田谷 小正月の伝統行事/多摩川散歩

火勢が衰え、燃えている部分が小さくなってきたら、いよいよお待ちかねの「もち焼き」の開始です。バックホウと消防団の皆様が熾火(おきび)を均して、もち焼きの準備をしてくれます。

準備が整ったらいよいよ餅焼きです/二子玉川どんど焼き~世田谷 小正月の伝統行事/多摩川散歩

準備が整ったらいよいよ餅焼きです。みんなで竿を出してお餅を火にあぶります。子供が主役ですが、大人も混じって親子一緒に楽しいひとときです。
竹ざおは主催者が貸してくれます。また、お餅も一人一個、無償でいただけます。


このお餅を食べると、今年一年は無病息災でいられるとのこと/二子玉川どんど焼き~世田谷 小正月の伝統行事/多摩川散歩

火に近すぎず、遠すぎず。お餅を上手に焼くにはそれなりの忍耐もいります。

このお餅を食べると、今年一年は無病息災でいられるとのこと。信じてみる価値はあります。


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どんど焼き会場へのアクセス

多摩川河川敷を歩いていくのがおすすめ

二子玉川のどんど焼き会場は少し不便な場所にありますが、多摩川の河川敷を運動場に沿って歩いていくのがおすすめです。途中には、多摩川八景で有名な「兵庫島公園」や、多摩川50景に指定されている「二子緑地」などがあります。

最寄り駅
東急田園都市線「二子玉川駅」 徒歩20分
住所
世田谷区鎌田一丁目
二子玉川緑地運動場ピクニック広場北側
推奨ルート
二子玉川駅→兵庫橋→兵庫島公園→多摩川二子橋公園→二子玉川緑地運動場→どんど焼き会場

どんど焼き会場へのアクセス/二子玉川どんど焼き~世田谷 小正月の伝統行事/多摩川散歩


周辺は観光スポットがいっぱい

二子玉川のどんど焼き会場の周辺は、風光明媚な、あるいは立寄ってみたい観光スポットがいっぱいです。どんど焼きが終わったら、ぜひ足を伸ばしてみてください。

兵庫島公園
上述したように多摩川八景のひとつであり、多摩川を代表する素晴らしい景観です。
野川
多摩川の支流のひとつです。川岸には遊歩道も整備されているため気持ちよく川辺の散策を楽しむことができます。
岡本公園民家園
世田谷の古民家が展示されており、小正月の繭玉飾りをはじめ、四季折々の伝統行事を楽しむことができます。
六郷用水(丸子川)
江戸時代に家康の命により開削された灌漑用水です。世田谷区内では次大夫堀(または丸子川)と呼ばれています。
瀬田アートトンネル
国道246号玉川通りの下を通過する区道トンネルです。トンネル壁面に施された芸術的なモザイク模様とライティング(照明)の美しさは一見の価値があります。

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