小正月の繭玉飾り
(世田谷の伝統行事 岡本公園民家園)
東京の世田谷区では古民家を舞台に小正月の繭玉飾りが行われています。見学自由。繭玉作りに参加することもできます。大都会の東京で体験する日本の伝統文化です。
小正月の繭玉飾り。その年の蚕がよく育つようにとの祈りを込めて飾ります(岡本公園民家園)
■小正月とは
小正月(こしょうがつ)とは1月15日、厳密には1月14日の日没から15日までの間をさし、農耕と結びついた各種の予祝行事(豊作を祈る行事)が執り行われます。
元日から1月7日までを「大正月(おおしょうがつ)」と呼ぶのに対して、1月15日を小正月と呼ぶようになりました。
この小正月までが本来の「松の内」であり、この日の朝には小豆粥を食べる習慣がありました。
■繭玉飾り
養蚕が行われていた地方では、小正月の行事で、繭玉(まゆだま)飾りが行われました。
繭玉飾りとは、その年の蚕がよく育つようにとの祈りを込めて、上新粉で繭に見立てた団子を作り、ネコヤナギやケヤキ、ミズキなどの枝にさして飾るものです。
飾る場所は、神棚やその近くの座敷、大黒柱、母屋の入り口などになります。
大正月が明けた1月8日、小正月に向けて繭玉飾りが行われます。
東京世田谷 小正月の繭玉飾り
小正月の行事~繭玉飾り
世田谷区民家園での取り組み
東京都世田谷区は、いまや大都会の真っただ中にありますが、昭和中期の高度経済成長期よりも以前には、豊かな田畑風景が広がる緑豊かな台地でした。
世田谷区立岡本公園民家園と世田谷区立次大夫堀公園民家園では、小正月の行事として、かって世田谷区でも広く行われていた繭玉飾りを無料体験することができます。
作った繭玉はその場で焼いて食べたり(岡本公園)、枝にさしておみやげに持ち帰ることもできます(次大夫堀公園)
繭玉を飾って豊作を祈願します。
(岡本公園民家園)
白蛇も大事な守り神です。
繭玉作りから体験できます
世田谷区立次大夫堀公園民家園での繭玉作りの様子です
繭玉は上新粉で作ります。お餅と同じように蒸籠(せいろ)で蒸して、臼と杵でつきます。
つきあがった「お餅」は、ほどよい大きさに切りそろえて、参加者全員で繭の形に丸めていきます。
おしゃべりも交えながらの楽しいひとときです。繭玉の色は白、赤、緑、黄色の4色です。
みんなで作った繭玉は早速、母屋の所定の場所に飾られていきます。
それぞれの枝先にひとつずつ。見事な繭玉の花が咲いていきます。
こちらは、おみやげに頂いて持ち帰った繭玉です。
我が家では、花瓶にさしてリビングに飾ることにしました。毎日眺めています。
日本各地の繭玉飾り(ご参考)
参考までに他の地域の繭玉飾りも見てみましょう
宮城県仙台市の繭玉飾り
赤と白だけの単調な色彩が独特の美しさを醸し出します。こんなのが各家庭の軒先にずらりと並ぶと圧巻なんでしょうね。
(画像提供:日々是電脳写真)
新潟県阿賀町の道の駅「阿賀の里」の繭玉飾り
イベント用に店内に大木を運びこんで繭玉で装飾したのだそうです。高さ13.5mの繭玉飾りは日本一だとか・・・
(画像提供:日々の雑記帳)
神奈川県横浜市・本郷ふじやま公園内の古民家「小岩井家」の繭玉飾り
江戸時代の庄屋宅(横浜市文化財)の繭玉飾りだそうです。こちらは青竹で幹が作られ、それに枝を差し込んで繭玉が飾られています。
(画像提供:仮想旅へ)
神奈川県大和市の郷土民家園に飾られている繭玉飾り
大和市でも養蚕が盛んだったそうで、こちらは石臼にクヌギの枝をさして、繭玉飾りを作っています。
(画像提供:大和市の四季)
長野県上田市の繭玉飾り
しなやかな柳の枝が大きく垂れ下がって、繭玉飾りが美しい弧を描きます。
(画像提供:ルヴァンの800日)
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世田谷区立岡本公園/次大夫堀公園へのアクセス
六郷用水ゆかりの丸子川と野川沿いの公園
■世田谷区立岡本公園民家園
- 住 所:東京都世田谷区岡本2-19-1
- 最寄駅:東急田園都市線「二子玉川駅」より徒歩20分
- バ ス:二子玉川駅より生育医療センター行き、「民家園」下車徒歩1分
■世田谷区立次大夫堀公園民家園
- 住 所:東京都世田谷区喜多見5-27-14
- 最寄駅:小田急小田原線「成城学園前駅」より徒歩15分
- バ ス:成城学園前駅より(玉07、玉08)バス、「次大夫堀公園前」下車徒歩2分